ファミリーオフィスが必要な理由

永続化を目指す一族こそ、ファミリーオフィスが本当に必要だと私たちは考えています。では、なぜ永続化を目指すこととは重要で、一体どのような一族の状態を指すのでしょうか。

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一族と一族事業の永続化とは

冒頭の問いに答えるため、敢えて永続化を目指さない一族のケースを考えると、目指すことの価値がより分かりやすいかと思います。永続化を目指さない一族とは、例えば、自分の代で事業を終わらせる、或いは自分たちでお金を使い切るような一族は当然のこと、お金だけを相続の対象として後継世代に渡しておけば問題ない、等と考えている一族も永続化を目指さない一族に該当します。つまり、「いつまで」という期限を設けずに、一族と一族事業(ファミリービジネス)が成長し続けることが永続化と言えるでしょう。

これは単純ではありますが、実践するには難しいことではないでしょうか。自分たちが存在していない未だ見ぬ未来の世代の一族の絆と一族事業を支える一族一体性強化の必要性も考慮し、一貫した行動を取っている一族は決して多くはないと思います。事実、多くの学術研究でも3世代目に至る事業の生存率は10%程度となっています。やはり、現状の一族や事業の維持・成長が無ければ、未来のことは到底考えられないという意見は当然だと思います。

しかし、現段階では、自信を持って、永続化を目指しているとは言えない状況であるとしても、ファミリーオフィスでの活動を通じて永続化を目指していく、そのような目標を持つことができる一族であれば、ファミリーオフィスを設立する意義は十分にあります


事業を持つ一族における永続化の価値とは

上述のように、永続化を目指すことがファミリーオフィス設立の主因ですが、そもそも永続化を目指すことの価値はどこにあるのでしょうか。

それは、端的に言えば、一族事業の企業価値と一族のもつ資産の価値が共に螺旋状に上昇し、支え合う関係を構築できるということです。これを要素分解すると、永続化を目指すことは
①一族の事業を強くする
②一族の事業が強くなることで、その恩恵を受ける一族のもつ有形・無形の資産との相乗効果が高まる
③事業の所有者である一族の成長が一族の事業をより強くする

という一族と一族事業のスパイラルな成長関係を永続化は実現できることを意味するわけです。


ここで疑問に思われるのは、一族の資産(=富)とは何かということでしょう。私たちは、一族の富を無形資産も含めた「広義の富」と幅広く捉え、その永続化支援機能を担う組織をファミリーオフィスと定義しています。この「広義の富」に関して、次回以降でご説明できればと思います。

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米田 隆(監修)
米田 隆(監修)
早稲田大学商学学術院 ビジネス・ファイナンス研究センター 上級研究員(研究院教授) 公益社団法人日本証券アナリスト協会プライベートバンキング 教育委員会委員長 株式会社青山ファミリーオフィスサービス取締役 早稲田大学法学部卒業。日本興業銀行の行費留学生として、米国フレッチャー法律外交大学院卒業、国際金融法務で修士号取得。金融全般、特にプライベートバンキング、同族系企業経営、新規事業創造、個人のファイナンシャルプランニングと金融機関のリテール戦略等を専門とする。著書に『世界のプライベート・バンキング「入門」』(ファーストプレス)、訳書に『ファミリービジネス 賢明なる成長への条件』(中央経済社) 等

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