後継世代の成長と育成(Part1)

ファミリービジネスの永続化に必要な要素の1つに一族の個々人の成長と育成が挙げられます。一族メンバーの成長と育成を実現できる仕組みを整備し、適切に運用されている事例を、今回と次回の2回に分けてご紹介します。


社長(創業者)は「これからも一族が仲良く、且つ会社からの恩恵を受けながら、共に支え合ってほしい」という想いを持たれている方でした。また事業承継に関して、社長はすでに65歳であり、遅くとも70歳までには次の代に渡したいとお考えでした。


子供は2人、長男が30歳(既婚・子1人)、長女が27歳(既婚・子1人)です。長男はグループ子会社に勤めており、職業経験も現在の会社のみであり、グループ全体の経営管理などには携わっていません。長女は経理部門に携わっていましたが、当時は育休中でした。


社長の想いや考えを実現するには、計画的に後継世代の能力を高めることが必要であり、残された5年という期間を考えると、後継世代の成長と教育に関する具体的施策を速やかに進めることになりました。


そのため後継世代の教育を検討するうえで、ロードマップを作成しました。このロードマップは、後継世代の成長と教育において項目・年時を明記し、後継世代と共有し実施して共に推進することを目的としています。


ロードマップ学習項目には大きく分けて2つの分野があります。自己成長を促す動機付けとなる分野と求められる能力を対象とする学習領域です。


次回のPart2では社長の想い・考えをつなげていくために後継世代の成長・育成を計画したロードマップをより具体的にご紹介します。


ファミリービジネスの永続化と一族の個々人の成長と育成についての詳細は下記記事をご参照ください。

ファミリーオフィスが一族の教育にもたらす効果

※ご紹介した事例は実例をもとにしたフィクションであり、登場する人物・団体等は実在する人物・団体等には一切関係ありません。

ファミリーオフィスについて
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米田 隆(監修)
米田 隆(監修)
早稲田大学商学学術院 ビジネス・ファイナンス研究センター 上級研究員(研究院教授) 公益社団法人日本証券アナリスト協会プライベートバンキング 教育委員会委員長 株式会社青山ファミリーオフィスサービス取締役 早稲田大学法学部卒業。日本興業銀行の行費留学生として、米国フレッチャー法律外交大学院卒業、国際金融法務で修士号取得。金融全般、特にプライベートバンキング、同族系企業経営、新規事業創造、個人のファイナンシャルプランニングと金融機関のリテール戦略等を専門とする。著書に『世界のプライベート・バンキング「入門」』(ファーストプレス)、訳書に『ファミリービジネス 賢明なる成長への条件』(中央経済社) 等

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